気になることがあると、仕事や学習に集中しようと思っても、ついその事を考えてしまい、しかもそのことがすぐに解決できない問題であると、いたずらに時だけが過ぎ、気が滅入っているだけということがあります。
お腹が減ったなら買ってあるお菓子を食べれば解消できるのですが、知り合いとのやり取りの何気ない一言や、してしまった失敗が気になって思い出すたびにいたたまれなくなるなどです。
そうなると、集中して何かに取り組もうとしても、いつのまにか気になることが意識に入ってきて、集中を邪魔します。
過去が邪魔する
過去に起こった過ちを反省して、次に活かせて、しこりがのこらなければそれでよし。
しかし、意識に入ってくるものが後悔や劣等感だったりすると、気持ちはどんどん落ち込んでいきます。
未来が邪魔する
先のことを考える能力は、人間が将来に対して備えをするために獲得した貴重な能力です。
ただし、具体的な対処行動を取れなかったり、今したいことを邪魔するようなら、一時的に脇へ置いてするべきことに集中する必要があります。
いま・ここを生きる
そのためには、まず自分が、自分を落ち込ませたり集中を妨げたりしているものにとらわれていることに気づき、そこから離れる必要があります。
そのために私が使っているのが、マインドフルネス・瞑想です。
マインドフルネス・瞑想と書きましたが、厳密に言うと、2つは同じものではありません。
詳しいことは他の多くのサイトで、やり方を含めて説明されていますので、そちらを当たっていただければよいのですが、ざっと言うと瞑想は何千年という歴史を持っていて、それをヒントにマインドフルネスが生まれたというような感じです。
マインドフルネス瞑想という言葉もあり、ここでは特に区別しません。
雑念の仕組み
ちなみにとらわれから逃れるのは難しいことです。
『ユーザーイリュージョン』(第六章 意識の帯域幅)を読んでみると、人の意識には常に大量の情報が流れ込んでいます。
意識を向ける対象に集中していないと、すぐに情報の渦に飲ままれてしまいそうです。
雑念にあらがわない
なので心を「無」にするのは至難の業で、それなら意識を向ける方向を絞る練習をしたほうがよいということになります。
マインドフルネスの練習では、干しぶどうを舌に乗せて噛まずに意識を向ける作業をしますし、瞑想では自分の呼吸に意識を向けます。
集中が切れるのは当たり前
また、『マインドフルネス瞑想入門』では、「瞑想とは、リラックスしながら、たった一つのことに「集中する」と「集中が切れたことに気づく」ことを繰り返すこと」と言います。
瞑想をしながら集中が切れると「なんで集中できないんだろう」と自信をなくすかもしれません。集中が切れてもいいから切れたことに気づいて、集中に戻る練習と考えれば、やってくる雑念も怖くないのではないでしょうか。
瞑想の流れ
ちなみに私が瞑想の時に使っている音源は、HIKARUさんの『はじめての楽しいヨガ4週間プログラム』のDVDの瞑想の部分です。そこでは、意識を向ける対象を次のようにしています。
- 姿勢づくり(足の組み方、手の形、背中など)
- 目をつむる
- 呼吸のリズムに意識を向ける
- お腹に意識を向ける
- 鼻先の息の流れに意識を向ける
- 眉間に意識を向ける
- しばらく集中を続ける
- 意識を鼻先から逆の順番で向けていく
- 意識を周りに向けていく
- 目を開ける
- 手を合わせて、すべての瞬間にすべての存在に感謝と思いやりが持てるように「ナマステ」
全部で13分ぐらいです。
2024年現在新品を入手することはできないようです。代わりに『体が硬い人のヨガ入門 4週間プログラム』が出ているようで、付属のDVDにも瞑想が入っていので使えるのではないでしょうか。
他にも音源はあると思うので、自分に合うものを探してみてください。
まとめ
集中や心の平穏を邪魔する「とらわれ」から逃れるのにマインドフルネス・瞑想は有効です。
意識を集中できなくても、集中できていないことに気づいて戻れるようになれれば、よく生きるための一助になるのではないでしょうか。
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