借金があると気持ちが沈みがちですが、ある体験を通して少し前向きな気分を取り戻せたので、記しておきます。
それは、村上春樹の『職業としての小説家』をAudibleで聴いたときのことです。
オーディブルでの出会い
無料体験から始めたAmazonのAudible。
宣伝の通り「ながら聴き」に最適で、特に体が覚えているような作業――風呂上がりに髪を乾かす時間や、片づけの時間など――にぴったりでした。
AirPods Proのノイズキャンセリングで周囲の音を遮断し、まるで小説の世界の中にいるような没入感。
気づけば毎日のルーティンの一部になっていました。
村上春樹の若き日々
長編小説を聴き終え、軽い「村上ロス」に陥っていた頃、『職業としての小説家』に出会いました。
そこで語られていたのは、作家として成功する前の、赤貧時代の村上春樹。
友人や銀行から借金をしてジャズ喫茶を開き、テレビも目覚ましもない生活のなかで、夫婦二人で地道に返済していったという話。
ある夜、銀行への返済を前に「明日が不渡りだ」という危機に直面したとき、偶然道端で拾ったお金が、ちょうど返済額と同じだったというエピソードには思わず息を呑みました。
まるで彼自身の小説の一節のような奇跡です。
借金が教えてくれること
若いころの借金と、50代の生活費や教育費による借金は、性質が違います。
後者は「人生の見通し」が立つ分、かえって動けなくなることもあります。
それでも――やるしかない。
そう感じたのは、村上春樹の話が単なる苦労談ではなく、「好きなことを追いかける中での苦労」だったからです。
つまり、借金返済という現実の中でも、好きなことをしていたからこそ、彼は乗り越えられた。
好きなことが力に変わるとき
お金を返す手段の中に、没頭できること、心から楽しめることを見つけられたら、
その努力は「努力」とは感じないのかもしれません。
人の役に立ち、喜ばれ、収入につながる形で自分の“はまり道”を見つけられたら、それはもう生き方そのもの。
村上春樹の語る苦労は、そんな生き方を肯定してくれるものでした。
聴き終えたあと、なぜか少し勇気が湧いて、「よし、もう少し頑張ってみよう」と思えたのです。
参照資料
■オーディブル無料体験はこちら


コメント