はじめに
『運動脳』[アンデシュ・ハンセン]は、人間の脳が工業化・デジタル化に適応できず不調を起こす現状を説明し、運動によって本来の機能を引き出す方法を解説しています。
ストレス耐性、集中力、意欲、記憶力、創造性、学力、脳の老化予防など、運動が脳に与える幅広い効果を理解できる一冊です。ここでは、効果別におすすめの運動と時間・頻度を整理して紹介します。
ストレス(ストレスに対する抵抗力)

推奨運動
ランニングやスイミングなどの有酸素運動
強さ・時間・頻度
- 心拍数が大幅に増える
- 少なくとも20分(体力に余裕があれば30〜45分)
- 週に2〜3回
備考
- 上記を習慣にする
- 心拍数を増やせない場合は散歩でも効果あり
- 掲載ページ:p.108
集中力

推奨運動
ランニング
強さ・時間・頻度
- 心拍数の目安: (220−年齢) × 70〜75%
- 40代なら130〜140回/分
- 50代なら125回/分
- 時間:20〜30分(可能であれば30分)
- 週に2〜3回
- 朝に運動すると効果的
備考
- 習慣化が重要
- 掲載ページ:p.156
うつ・モチベーション

うつ病治療
- ランニング:毎日20〜30分で気持ちが晴れる
- BDNF生成促進のために有酸素運動、インターバルトレーニングも有効
- ケガリスクを考慮する場合はランニングよりサイクリングが安全
- 掲載ページ:p.177, p.182, p.186, p.187
うつ病予防
- ウォーキング:毎日20〜30分
※BDNF(脳由来神経栄養因子)は、運動によって脳の神経細胞を育て、意欲やうつの予防に役立つとされています。
記憶力

推奨運動
- 有酸素運動(ウォーキングか軽いジョギング)
- 筋力トレーニング(連想記憶力向上に有効)
備考
- 運動してから1日〜数日後に効果が出る
- 暗記する場合は運動後、または運動中でも可能
- 掲載ページ:p.246
創造性

推奨運動
- ランニングや同様の活動
- 身体に負荷がかかる運動が望ましい(疲れすぎは逆効果)
時間・頻度
- 少なくとも30分
- 効果は1時間〜数時間持続
備考
- 体力がない場合はウォーキングやスロージョギング
- 掲載ページ:p.261, p.264, p.278
学力(知能)

推奨運動
- 運動で心拍数を上げるだけでも効果あり
- こどもは身体を動かして遊ぶだけでも集中力や読解力が増す
備考
- 12分身体を動かすだけでも学力向上
- 掲載ページ:p.306, p.307
健康(脳の老化予防)

推奨運動
- ウォーキング:20〜30分、毎日または週5回以上
- ランニング・水泳・サイクリング:20分、週3回
- 掲載ページ:p.328
まとめ
- ランニングを週3回、45分以上
- 心拍数を上げることが重要
- 半年ほど続けると効果を実感しやすい
- 継続することで薬やサプリの副作用なしにメリットを得られる
参考図書
ここまでの内容を実践したい方や、さらに科学的根拠を詳しく知りたい方には、『運動脳』がおすすめです。
読んで理解を深めてから運動を取り入れると、効果がより実感しやすくなります。
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本書を手元に置いて、日々の運動と組み合わせることで、脳の機能向上がより実感できるでしょう。
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