心(Spirit)

心(Spirit)カテゴリーでは、心理学を中心に、日常生活や仕事の中での心の気づきや思索的・哲学的な内容を掲載しています。心理学の知見を活かし、自己理解や心の成長、内省に役立つ記事をまとめています。読む人が少し立ち止まって考えるきっかけを提供します。

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スマホ時代の哲学――孤独とつながりのあいだで考える

スマホを手放せないほど便利になった一方で、SNSを見て疲れてしまう――そんな感覚はありませんか。『スマホ時代の哲学 なぜ不安や退屈をスマホで埋めてしまうのか【増補改訂版】』(谷川嘉浩 著)は、この「つながりの中の孤独」という現代的な悩みを哲...
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本当にやりたいこと――『スマホ時代の哲学』より

はじめに:立ち止まる瞬間に見える問い「自分が本当にやりたいことは何だろう」――。高校生のころから繰り返し頭をよぎってきた問いです。忙しさにまぎれて忘れていても、ふと立ち止まる瞬間に再び顔を出す。そのたびに、限られた時間の中で暫定的な答えを出...
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村上春樹の借金時代に学ぶ「好きなことを続ける力」-『職業としての小説家』より

借金があると気持ちが沈みがちですが、ある体験を通して少し前向きな気分を取り戻せたので、記しておきます。それは、村上春樹の『職業としての小説家』をAudibleで聴いたときのことです。オーディブルでの出会い無料体験から始めたAmazonのAu...
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なぜ今、仏教なのか――『なぜ今、仏教なのか』レビュー

私たちは、自分の考えや理性によって行動を選んでいると思いがちです。しかし、実際には「心が自分をコントロールしていない」瞬間が数多くある――。そんな現実を静かに示してくれるのが、ロバート・ライト著『なぜ今、仏教なのか』(ハヤカワ文庫NF)です...
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心理療法のはじめに──発達障害の視点をもつということ

医療と心理療法の違い心理療法を理解するには、まず医療との違いを押さえておくことが大切です。医療では、血液検査や画像診断などの客観的データに基づいて診断が下されます。病名が決まれば、標準化された治療法が適用される。ここには「共通の手順」と「再...
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『多動脳』レビュー|「落ち着きのなさ」は才能かもしれない

はじめに仕事でADHD傾向のある子どもと関わる機会があります。わずか数時間の関わりでも、対応する保育士や親御さんの苦労の大きさに胸が痛むことがあります。けれども、アンデシュ・ハンセン氏の『多動脳』を読んで、「もしこの特性を別の角度から見られ...
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『アメリカは自己啓発本でできている』レビュー:自己啓発を俯瞰する「知の地図」

自己啓発の「海」を渡るための羅針盤「自己啓発本」という言葉に、どこか惹かれつつも少し照れくささを感じる人は多いでしょう。読むと元気になれるけれど、どこか軽く見られがちな存在――そんな印象を抱く人もいるはずです。しかし、もしこのジャンルを“ひ...
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祈りの力――目に見えない思いが届くとき

はじめに受験や病気、人生の節目に差しかかったとき、私たちができることには限りがあります。努力や準備のほかに、どうしようもない部分が残る——そんな時、人は「祈る」ことで心の拠りどころを見出します。私自身、子ども2人の受験期に、ただ祈ることしか...
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意識は幻想か?──『ユーザーイリュージョン』が示す無意識の知性

人は自分の行動を「自分の意識で決めている」と信じています。しかし、脳科学と心理学の研究が進むほどに、それが幻想であることが見えてきます。トール・ノーレットランダースの『ユーザーイリュージョン』は、私たちの意識がいかに「遅れて生まれる物語」で...
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精神の障害とイーロン・マスク

はじめに『イーロン・マスク』(ウォルター・アイザックソン著)を読み、彼の「精神」と「創造性」について思うところがありました。彼の歩みを辿ると、そこには「障害」とも呼ばれる精神的特性が、同時に「推進力」として働いていることに気づかされます。ア...