『運動脳』レビュー──運動が“脳の性能”を最大化する理由

朝の公園を走るランナーのシルエット 体(Body)
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はじめに

アンデシュ・ハンセン著『運動脳』は、現代人の脳が「動かなさ」によって本来の力を発揮できていないという前提から、運動が脳にもたらす幅広い効果を紹介する一冊です。

ストレス耐性、集中力、記憶力、意欲、創造性、学力、老化予防まで──
本書を読むと、運動が“体のため”だけでなく 知的生産を支える基盤であること が分かります。

私自身、公認心理師試験の勉強中に 集中力の途切れやすさ・記憶の定着しづらさ を強く感じていました。
読書中にブラウジングへ脱線し、中断し、また読み直す……。
そんな状況から抜け出すため、本書をきっかけに“運動しながら学ぶ”方法を取り入れると、
理解力・集中・記憶の定着が驚くほど変わった のです。

ここでは「本書の要点+私自身の体験」を組み合わせ、運動が脳にどのように働くのかを整理します。


ストレス耐性が高まる

現代の脳は、情報の多さと環境の変化により“ストレス過多”になりがちです。
本書では、運動がストレスへの抵抗力を底上げすると説明されています。

推奨運動

  • ランニング、スイミングなどの有酸素運動

強さ・時間・頻度

  • 心拍数が大きく上がる程度
  • 20〜45分
  • 週2〜3回

備考

  • 体力がなければ散歩からでも効果あり
  • 書籍p.108

体験談:精神的に厳しい時期を運動が支えてくれた

運動を習慣化し始めた頃、ちょうど職場で大きな異動があり、精神的負荷の高い日々でした。
それでもランニング後には必ず「スッキリした感覚」があり、
運動がストレスに対するクッションになっている のを実感しました。


集中力が劇的に高まる

推奨運動

ランニング

強さ・時間・頻度

  • 心拍数の目安:(220 − 年齢) × 70〜75%
  • 時間:20〜30分
  • 週2〜3回
  • 朝に行うと効果的

備考

  • 習慣化が重要
  • 書籍p.156

記憶力が向上する

推奨運動

  • 有酸素運動(ウォーキング・軽いジョギング)
  • 筋力トレーニング(連想記憶に効果)

備考

  • 効果は運動後1〜数日持続
  • 暗記は運動中でも可能(書籍p.246)

体験談:景色と内容が“結びつく”読書

歩きながら読むと、周囲の景色と本の内容が自然に結びついてくることがありました。
「あの橋の付近でこの章を読んだ」
というように、理解が深まる手応えがありました。


創造性が高まる

推奨運動

  • ランニングや同様の活動

時間・頻度

  • 30分
  • 効果は1時間〜数時間持続

備考

  • 運動が難しい人はウォーキングから
  • 書籍p.261, p.264, p.278

体験談:1分間の「腰振り運動」で道が開けた

仕事で煮詰まり、解決策がどうしても見えない場面がありました。
そんなとき、ハンセン氏がテレビで紹介していた「腰を振る運動」を試しました。
両腕を上げ、腰の横に風船があるとイメージして、風船を割るように勢いよく1分間振るだけで心拍数が上がります。

席に戻った瞬間、
「なぜこれに気づかなかったのか」
と思うほど鮮明に解決策が浮かび、運動の効果を実感した瞬間でした。


学力(知能)が向上する

運動はこどもの学習効率にも関係します。
心拍数を上げるだけでも、集中力・読解力が高まるという研究があります。

備考

  • 12分の運動でも効果
  • 書籍p.306–307

体験談:小学校での“授業前ランニング”

私が小学生の頃、2校時と3校時のあいだに近所の神社まで15分走る時間がありました。
当時は理由もわからず走っていましたが、
今思えば、その後の授業に比較的落ち着いて取り組めていたような気がします。

現在でも、授業前に短時間の運動を取り入れる学校があると聞きます。
科学的に裏付けられている内容と重なる部分があり、興味深い実践です。


老化予防

脳の萎縮を抑え、老化を防ぐという研究も紹介されています。

推奨運動

  • ウォーキング:20〜30分(毎日〜週5回以上)
  • ランニング・水泳・サイクリング:20分(週3回)
  • 書籍p.328

まとめ:動けば脳は必ず応えてくれる

運動が脳にもたらす効果は幅広く、日常の知的活動にそのまま活かすことができます。
とくに『運動脳』で紹介されている内容のうち、実生活で取り入れやすいポイントは次の通りです。

  • 週3回・20〜45分のランニング が最も効果的
  • 心拍数を上げる ことが脳の活性化のカギ
  • 集中力・記憶力・ストレス耐性 が運動習慣によって底上げされる
  • 半年ほど続けると効果を実感しやすい
  • 副作用なく、日々の学びや仕事の質を高められる

情報過多の時代では、頭だけで何とかしようとするより、まず身体を動かすほうが近道になることがあります。
集中したい時、記憶を定着させたい時、気持ちを整えたい時――。
運動によって脳の土台が整うと、日々の読書や仕事、学びの質が自然と高まっていきます。

小さな運動習慣が、思考のクリアさや発想力を引き出してくれる。
そんな実感を、これからも大切にしていきたいと思います。


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